| 2 部分環・体 | ||
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[1] 部分群と同様に環,体においても部分環,部分体を考えることができます。群にならった定義としては,もとの環,体と同じ演算規則のもとで,それらのある部分集合だけを考えたときにそれらがそれぞれ環,体となるものととらえることができますが,利便性から以下のように定義しておきます。
| [部分環]
環(R,×,+) の部分環 S とは,R の空でない部分集合 S であり,任意の a,b ∈ S について, a+b, a−b, a×b ∈ S をみたすものである。 |
例えば,普通の足し算・かけ算のもとで偶数全体(2Z )は整数全体(Z )の部分環です。つまり,偶数どおしの和,差,積,結果はすべて偶数になります。
[2] 重要な部分環にイデアルがあります。イデアルとは,
| 定義 環 R のイデアルとは,環 R の部分環 I で, a ∈ I,r ∈ R ならば,常に ar,ra ∈ I もしくは,環 R の部分集合 I で, (1) a,b ∈ I ⇒ a+b ∈ I と定義する。 |
環の任意の元とその環のイデアルに属する元との積はすべてイデアルに属します。このような性質を吸収律といいます。例としては,偶数の集合は整数のイデアルです。なぜなら,(1) (偶数)+(偶数)=(偶数),(2) (偶数)×(整数)=(偶数)だから。より一般的には整数 n の倍数からなる集合 nZ も整数のイデアルです。また,0(零)と R 自身はそれぞれ R のイデアルで,自明イデアルといいます。
[3] 重要なイデアルに単項イデアルがあります。
| 定義 イデアルの中で環 R の元 f の倍数 ( f )= { fr|r∈R } からなるイデアルを f の生成する単項イデアルという。 |
整数のイデアルは単項イデアルです。
環R のすべてのイデアルが単項イデアルであるとき,この環を単項イデアル環(PID)と言います。
整数は単項イデアル環である。
[4] 次に,体についての部分体などの定義です。
| 定義 (1) 体 (F,×,+) の部分体とは,F の0,1を含む部分集合 K であり,任意の a,b ∈ Kについて, a+b, a−b∈S, a×b ∈ K をみたし,さらに 0 でない K の任意の元に逆元が存在するものである。 (2) 体Fが部分体として F 自身しか含まないとき,体Fを素体という。 L ⊃ F ⊃ K となっているとき,F をLとKの中間体であるという。 |
例
有理数体は実数体の部分体であり,複素数体は実数の拡大体であり,実数は有理数体と複素数体の中間体である。すなわち,Q
⊂ R ⊂C である。
体Fが体Kの拡大体であるならば,FはK上のベクトル空間[#] とみなすことができます。そのベクトル空間としての次元を,K上のFの拡大次数といい,[F:K] と書きます。
[5]
極大イデアルの話はあとで,
| 環 R の分数体とは,R (もしくは R と同形な部分環)を含む体 K で,K の任意の元が,r/u ( r,u ∈ R,u≠0 )と分数の形にかかれるものをいう |
[6] 最後に,ここでは証明抜きで次の定理を述べておきます。
| 整域 [#] はすべて分数体をもつ |