10 ハミルトン-ヤコビ
        の偏微分方程式
f-denshi.com  最終更新日: 03/03/18
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1.ハミルトン-ヤコビの(偏微分)方程式

[1] 先に求めた完全自由端に対する作用積分[#]の変分は,

 δS= (Fy d  y’)δydt+[Fy’]t=bδyB+{[F]t=b−y’(b)・[Fy’]t=b}・δtB
dt

で,次式を満たさねばなりません。

(1) (Fy− d  Fy’)=0
dt
(2) [Fy’]t=b=0 
(3) [F]t=b−y’(b)・[Fy’]t=b=0

これを力学で使われる記号で書くと,

δS= (Lq d  Lq’)δq dt+[Lq’]t=b・δqB+{[L]t=b−q’(b)[Lq’]t=b}・δtB
dt

[2] いま,実際に起きる(物理法則に従う)軌跡だけを考えるならば,(オイラー方程式[#]より)第1項の積分は0となります。すると,この式は,p=Lq’を用いて[#],  以下,B端の点の値であることを示す添え字 B を省略します。

δS= p・δq+{L−q’・p}・δt

したがって,B端において,

( I)  ∂S =p  かつ, ( II ) ∂S =L−q’p −H
∂q ∂t

を得ます。ここで,はルジャンドル変換によるハミルトニアンの定義式によります[#]。この( II)式は,

∂S +H=0    [ハミルトン・ヤコビの偏微分方程式]
∂t

と呼ばれます。

[3] また,p の代わりに(1)の ∂S/∂q を用いれば,ハミルトニアンの独立変数は,

H(t,q,p)→ H(t,q,∂S/∂q)

となっていることに注意して下さい。




      

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