205  たたみ込み( コンボルーション )
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1.たたみ込みの定義

物理的な描像:
 1次元ランダムウォーク ⇒ 拡散方程式も参照のこと [#]

[1] たたみ込みの定義です。

時刻 0 に原点 x=0 にある粒子がX軸上をランダムに動いていく様子を考えます。このとき,時刻 t において,微小範囲 (x,x+Δx)に粒子が見つかる確率が確立分布関数,P( x )と Δx との積で,

P( x )Δx   ← P(x,t)Δx と書いてもよい。

で与えられるものとします。特に,

( I ) 時刻 t+s に微小範囲 (x,x+Δx)に粒子が見つかる確率は,

Pt+s( x )Δx

となります。一方,これと同じ確率を,粒子の動きがランダムであることから時刻 t までとそれ以後の s 秒とを2つの独立な事象に分けて計算することも可能で,それは,

( II ) 時刻 t に微小範囲 ( y,y+Δy )に確率 P( y )Δy で存在する確率と 時刻 s に(x−y,x−y+Δx)に存在する確率 Ps(x−y)Δx との積事象で与えられるはずです。 ただし,最初の t 秒後の位置 y は X軸上のどこを経由してもいいので,y について区間(-∞,∞)で積分してやった,

Ps(x−y)Pt(y)dy ・Δx 

が時刻 t+s に 微小範囲 (x,x+Δx)に粒子がある確率となります。そしてこれら2つを等しいとし,

Pt+s( x )Δx= Ps(x−y)Pt(y)dyΔx 

とすることができます。両辺を Δxで除し,記号を改めれば,

z( x ) = h(x−u)g(u)du 

と抽象的に書くことできます。ここで,z(x) ,g(x),h(x) はそれぞれ t+s 秒後, t 秒後, s 秒後の確率分布という物理的な意味を持たせることができます。

[2] このような物理的な背景のもとで,次のような定義が行なわれます。

定義: たたみ込み

絶対可積分関数 h(x),g(x) にたいして次の積分値を

1
h(x−u)g(u)du ≡ h(x)*g(x)                       定義 I  
または,
h(x−u)g(u)du ≡ h(x)*g(x)                  定義 II  
たたみ込み,または,コンボルーションと言います。

.たたみ込みの定理

I たたみ込みの定理  

h(x),g(x) について,たたみ込みが,定義できるとき,

(1) たたみ込みのフーリエ変換は,各関数のフーリエ変換の積に等しい,すなわち,

F [ h(x)*g(x)] = F [h(x)]・F [g(x)]
逆に,

(2) f,g が区分的に連続で,(f*g)が点 x で連続なら,
h(x)*g(x) = F -1F [ h(x)]・F [ g(x)] }
がなりたつ。

用途に応じて,次のようにも書かれます。

II たたみ込みの定理 ( 空間  ⇔  運動量 )
u(x)= h(q)r(x−q)dq   ( ≡ h*v (x) ) 
ただし, h(x)dx = 1  

なる関係があり,u(x),r(x),h(x) のフーリエ変換を U(k),R(k),H(k),すなわち,

U(k)= u(x)e-i kxdx 
R(k)= r(x)e-i kxdx 
H(k)= h(x)e-i kxdx 

とすれば,

U(k) = H(k)R(k)

がなりたつ。


III  たたみ込みの定理   ( 時間  ⇔  周波数 )
y(t)= h(τ)x(t−τ)dτ   ( ≡ h*x (t) ) 
ただし, h(t)dt = 1  
なる関係があり,y(t),x(t),h(t) のフーリエ変換を Y(ω),X(ω),H(ω),すなわち,
Y(ω)= y(t)e-i ωtdt 
X(ω)= x(t)e-i ωtdt 
H(ω)= h(t)e-i ωtdt 
とすれば,
Y(ω) = H(ω)X(ω)
がなりたつ。

(1) の証明

F [h(x)*g(x)] =
1
1
h(x−y)g(y)dy e-ikxdx
1
g(y) e-iky・e-ik(x-y)h(x−y)dydx

r = x−y として,

1
g(y) e-ikydy
1
h(r)e-ikrdr
F [g(x)]・F [h(x)]
=G(k)・H(k)      (g(x),h(x)のフーリエ変換をG(k),H(k)として。)

このフーリエ変換は,

f(x)*g(x)=F -1F [ h(k) ]F [ g(k) ]} =
1
F [(x)]F [g(x)] eikxdx


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