103  定数係数線形微分方程式
f-denshi.com  更新日:  04/02/19

1.定数係数

[1] 線形微分方程式の同次方程式の係数がすべて定数である場合,すなわち,

  y(n)+an-1y(n-1)+an-2y(n-2)+・・・+a1y’+a0y = 0    ・・・・・ [*]

で,an-1,an-2,・・・,a0 が定数であるときを考えます。この式はある関数の各階微分の1次結合が0であることを示しています。したがって,何回微分しても元の関数の定数倍となる指数関数 y = emx がこの微分方程式の解の一つであろうと思いつきます。そこで,これを代入すると,

  mnemx+an-1m(n-1)emx+an-2m(n-2)emx+・・・+a1memx+a0emx = 0

emxで除せば,

  mn+an-1m(n-1)+an-2m(n-2)+・・・+a1m+a0 = 0    ・・・・・ [**]

[2] したがって,代数方程式[**]の解を求めれば微分方程式の解が求まります。この代数方程式を同次方程式の特性方程式と言います。 特性方程式に重根が含まれないときは,n個の相異なる解を r1,r2,・・・,rn とすれば,微分方程式の一般解は,n個の任意定数を,c1 , c2, ・・・ , cn として,

y  = c1 e1x + c2e2x + ・・・ + cnenx 

となります。    ( ckekx  (k=1,・・・n) が互いに1次独立であることは自分で確かめましょう[#]。)

[3] もし,m = b が n 重根,つまり,特性方程式が, 

(m-b)=0

であるときは,

ebx, xebx, x2ebx, ・・・ ,xn-1ebx

が微分方程式[*]の解であることは,これらを代入してみればすぐに確かめられ[#],これらは1次独立なので,

(c0+c1x+c2x2+・・・+ck-1xn-1)ebx

すなわち,任意のn次多項式を P(x)として,

P(x)ebx, 

が一般解として得られます。

天下り的でなくこのタイプの微分方程式の解を求める方法は次章の演算子法を理解する必要があります。


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y=xebx を微分方程式[*],Ly=0 に代入すると,P(D)=(D−b)nと次章公式(4)より,

P(D){ebx・xk}=ebxP(D+b}xk=ebx(D+b−b)nxk=0   ;
k =0,1,・・・,n-1