| 7 類別2: ラグランジュの定理 | ||
| f-denshi.com 最終更新日: 04/02/29 | ||
[1] もう一つ、今求めたばかりの同値類の重要な特徴について述べましょう。G の元を視覚的に理解するために、G の元(=変換)が正四面体に作用する様子を同値類ごとに分類して、下図に示しました。
E={a1、b1、e} Z={a2、b3、hz} Y={a3、b4、hy} X={a4、b2、hx}
この図で頂点1の位置に注目して下さい。同じ同値類に属する元は正四面体の頂点1を同じサイトに移す変換であることがわかりますね。これを写像を用いて書き表すならば、
E: a1(1)=1、b1(1)=1、 e(1)=1
Z: a2(1)=4、b3(1)=4、hz(1)=4
Y: a3(1)=2、b4(1)=2、hy(1)=2
X: a4(1)=3、b2(1)=3、hx(1)=3・・・・・・・・・・・・・・・・[**]
となっていることが理解できます。
この例では頂点1が特別な役割をしていますが、これは上の剰余類別に用いた部分群S1に秘密が隠されているわけで、それはS1の元(変換)a1、b1、e がどれも頂点1を動かさない変換であることに理由があります。
[2] この結果を一般的化すると次の定理となります。
| 定理: 群G が集合 M上に働いているとする。このとき、M の元:m0 のG軌道、G(m0) について、 (1) G(m0) の元の個数は群 G の位数の約数である。 (2) G(m0) と G の固定部分群 Gm0 による(左)剰余類とは 1対 1に対応する。 (3) |G|=|Gm0|×|G(m0)| |
証明⇒[#]
[3] 前章で述べた軌道、固定部分群という用語を用いれば、 m0=頂点1 で、
m0 のG軌道 ⇔ G(m0)= {頂点1、2、3、4} (全部の正四面体サイトを動いてます)
固定部分群 ⇔ Gm0 = {a1、b1、e}、
|G|=12
という対応になっています。ここで定理の(1)と(3)は、 |G(m0)|=4 、|Gm0|=3 より OK
(2)は、[**]を参照すれば
頂点 1 ⇔ 剰余類 E
頂点 2 ⇔ 剰余類 Y
頂点 3 ⇔ 剰余類 X
頂点 4 ⇔ 剰余類 Z
という 1対 1対応を考えることができます。
[4]
追加
| コーシーの定理 素数 p が|G|の約数であるならば、位数が p の元 g∈G が必ず存在する。 ⇒ gp=e |
[1] 次にGの部分群 H={e、hx、hy、hz} を用いて G を類別してみましょう。
S1 の場合と同様に、正四面体の群表より、x・h、h∈H を抜き出します。
a・h e hx hy hz a1 a1 a2 a4 a3 a2 a2 a1 a3 a4 a3 a3 a4 a2 a1 a4 a4 a3 a1 a2 b1 b1 b4 b3 b2 b2 b2 b3 b4 b1 b3 b3 b2 b1 b4 b4 b4 b1 b2 b3 e e hx hy hz hx hx e hz hy hy hy hz e hx hz hz hy hx e
先ほどと同様に、
a1H=a2H=a3H=a4H ={a1、a2、a3、a4} = A
b1H=b2H=b3H=b4H ={b1、b2、b3、b4} = B
eH=hxH=hyH=hzH ={e、 hx、hy、hz} = H
が得られます。G は H によって3つの同値類 {a1、a2、a3、a4}、{b1、b2、b3、b4}、{e、hx、hy、hz}に類別されてます。
[2] この H は固定部分群ではないので、S1 に見出されるような頂点と剰余類(同値類)との関係はありません。
[3] 以上のように G を部分群 S1 および H を用いて類別しましたが、いずれの場合も同値類別に用いた部分群の位数と同値類の個数との積は群 G の位数に等しくなっています。すなわち、
12 = |G|=|S1|×|G:S1| = 3 × 4
12 = |G|=|H| ×|G:H| = 4 × 3
この関係は、すべての部分群について成り立つ関係で次のような定理として知られています。
| ラグランジュの定理 群 G の任意の部分群を H 、G による H の指数 [#] を|G:H|とすると、 |G|=|H|×|G:H| |