10 ルベーグの収束定理
f-denshi.com  最終更新日:05/01/18

1.エゴロフの定理

[1] 

エゴロフの定理:

有界な 測度空間 X(β,m)上で定義された可測関数列が関数 f に収束している: すなわち,

f1,f2,・・・,fk,・・・  → f

のとき,任意の正数εに対して可測集合 H ( ⊂X ) が存在して,

(1) m(H ) < ε
(2) Hc 上で,n→∞ のとき,fn は f  に一様収束する。

要するに,定義域から「測度が零である集合」 を適切に除外して考えれば,fn を f に一様収束するようにできるということです。

[2] 例えば,右に示すような a,b,c で不連点をもつ不連続関数 f(x) に対して一様収束するような,[x0,x1]で連続な関数列 fn(x) は存在しません。

ところが,この不連続点を含むε-近傍の和集合

H=Vε1(a)∪Vε2(b)∪Vε3(c)

を取り除いた部分 Hc で考えると,一様収束する fn(x) が存在して,

ε1+ε2+ε3

はいくらでも小さくとれ,m(H) <ε とできる ということをいっているのです。つまり,エゴロフの定理とは,積分結果に影響しない測度零の集合を関数の定義域から除外することで,「一様収束」なる概念を積分論に持ち込むための定理なのです。

2.ルベーグの収束定理

[1]

積分の基本定理:

f(x) を測度空間 X(β,m)上で定義された可測関数で,単調増加する単関数の列:

0 ≦η1(x)≦η2(x)≦ ・・・・ 

を用いて,

ηk(x)=f(x)

と表せるとき,E∈β 上の積分において,

f(x)m(dx)= ηk(x)m(dx)= ηk(x)m(dx)

である。  つまり, 極限と積分の順序が交換可能

[2] この単関数に関する定理を可測関数に拡張したものを,ルベーグの収束定理と呼びます。

ルベーグの収束定理  [ 項別積分可能条件 ]

f(x)に収束する(各点収束でよい)可測関数列:

f1(x),f2(x),・・・・ 

について,適当な可積分関数 F(x) が存在して,

|fk(x)|≦F(x)  ,    k=1,2,3,・・・

が成り立つならば,任意の可測集合E上で,

f(x)m(dx)= fk(x)m(dx)= fk(x)m(dx)

がなりたつ。 ここで,F(x)を優圧関数という。

この定理の証明には, F(x)−fk(x) ≧ 0 に注意して,次の命題を用います。

(1)
lim
 (-ak)=−
lim
 ak
(2) ファトゥーの不等式, fk(x)≧0 のとき,
lim
fk(x)m(dx)≦
lim
fk(x)m(dx)

[3] リーマン積分において,この定理に対応する次の定理を書いておきましょう。

ルベーグの収束定理の リーマン積分バージョン

 区間 [ a,b ] 上の連続関数 f(x) に収束する連続関数列 f1(x),f2(x),・・・・ について,
適当な正数 K が存在して,

|fk(x)|≦K  ,     k=1,2,3,・・・

が成り立つならば,

f(x)dx= fk(x)dx= fk(x)dx

がなりたつ。

この定理の意味は,

⇒ 一様収束すれば,極限と積分の順序が交換できる。

なおここで,K は優圧定数などとはいいませんが,先の優越関数に対応していることはわかりますね。

ルベーグ積分の計算では,エゴロフの定理から可測関数については一様収束するものとして扱ってよいので,「一様収束」という条件は不要となっているのです。

とりあえず,しばらくお休みですが,これまで公開した部分は適宜修正いたします。


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