9 可動端変分問題の応用 | |
f-denshi.com 最終更新日: 04/01/07 | |
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[1] 光の反射の法則を変分原理だけ(フェルマーの原理)から導いてみましょう。光は右下図でのAから入射して,点Bで反射し,C点へ抜けていくとします。反射点Bでの連続性から,
y(tB-0)=y(tB+0)
J[y(t)]= | F[t,y(t),y’(t)]dt |
|
δJ=δ | Fdt+δ | Fdt=0 |
y=g(t)
δ | Fdt=[Fy’(g’−y*’)+F]δtB |
δ | Fdt=[Fy’(g’−y*’)+F]δtB |
[Fy’(g’−y’)+F]δtB-0=[Fy’(g’−y’)+F]δtB+0
J[y(t)]= | F[t,y(t),y’(t)]dt |
J[y(t)]= | (1+y’2)1/2 | dt | |
V(x,t) |
1 | (1+y’2)1/2+ | (g’−y’)y’ | |||||
V(x,t) | (1+y’2)1/2 | tB-0 |
= | 1 | (1+y’2)1/2+ | (g’−y’)y’ | ||||
V(x,t) | (1+y’2)1/2 | tB+0 |
⇔
1+g’y’ | = | 1+g’y’ | |||||||
(1+y’2)1/2 | tB-0 | (1+y’2)1/2 | tB+0 |
ここで,各微分(傾き)は右図の角度α,β1,β2と下のように関係づけられるので:
↓ g’(tB)=tanα,y’(tB-)=tanβ1,y’(tB+)=tanβ2
1+tanαtanβ1 | = | 1+tanαtanβ2 | |||||
(1+tan2β1)1/2 | (1+tan2β2)1/2 |
⇔
1+tanαtanβ1 | = | 1+tanαtanβ2 | |||||
|cosβ1| | |cosβ2| |
ここまで来れば,高校生の問題ですね。結局,次式を用いて入射角θ1,反射角θ2に直すと,
β1−α=π/2+θ1, β2−α=π/2−θ2
反射の法則:
θ1=θ2
[1] 1.光の反射の場合との違いは,入射光は領域T,屈折光は領域Uにあり,それぞれの領域で光の速度が異なり,
V(x,t)= | V1 (領域T) | |
V2 (領域U) |
ということです。したがって,各領域で作用関数に添え字をつけてそれぞれF1,F2と区別する必要があります。
F1= | (1+y’2)1/2 |
V1 |
F2= | (1+y’2)1/2 |
V2 |
入射角θ1,屈折角θ2等の関係は右図の通りとします。作用積分は
|
の極値条件は,
δJ=δ | F1dt+δ | F2dt=0 |
となります。反射の場合と同様に横断性の条件[#]が必要です。
[F1y’(g’−y’)+F1]δtB-0=[F2y’(g’−y’)+F2]δtB+0
すなわち,
1 | (1+y’2)1/2+ | (g’−y’)y’ | ||||
V1 | (1+y’2)1/2 | tB-0 |
= | 1 | (1+y’2)1/2+ | (g’−y’)y’ | ||||
V2 | (1+y’2)1/2 | tB+0 |
↓ g’(tB)=tanα,y’(tB-)=tanβ1,y’(tB+)=tanβ2,
1+tanαtanβ1 | = | 1+tanαtanβ2 | |||||
V1(1+tan2β1)1/2 | V2(1+tan2β2)1/2 |
↓ β1−α=π/2+θ1, β2−α=π/2+θ2 なる関係を用いて,
V2 = sinθ2 V1 sinθ1
これらの法則は電磁気学では,Bにおける電磁波の電場と磁場の接線成分の連続性などからも導くことができます [#]。
つづく,・・・・・・・