ユークリッド幾何学(復習)
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円周角の性質

        

円周角∠A,∠B と中心角∠POQ について,

2∠A = 2∠B = ∠POQ

証明

上図のように △APQ を3つの2等辺三角形の和と考えれば,

2 ()=180°

これより,

∠POQ =180°−2
     =2 ()
     =2∠A

また,円周角について,

∠A=∠B

はどちらも同じ中心角を持つので前半の結果より成り立つ。  (終)



内接四角形の対角


対角の和 : ∠A+∠Q = 180°=∠B+∠P

証明  

円周角と中心角の関係より,

2 (∠B+∠P) =∠AOQP∠AOQB = 360°  (終)



方べきの定理



円周上の4点について,線分AB,CDの交点をP,線分
PA,PB,PC,PDの長さをそれぞれ a,b,c,d とするとき,

公式  ab = cd    

証明

△PAD ∽ △PCB なので,

PA:PC=PD:PB ⇔ a:c = d:b
            ⇔ ab = cd       (終)



三角形の角2等分線

公式1   c:b = m:n 

証明

図のとおりADとA’Dを平行とする。

△ABD ∽ △A’BC ⇔ c:(c+b) = m:(m+n) 
             ⇔ m(c+b) = c(m+n) 
             ⇔ bm = cn 
             ⇔ c:b = m:n     (終)

公式2 d2 = bc−mn

△ABCの外接円とADを延長した直線との交点をTとすると,

dt=mn         [方べきの定理]

また,△ABDと△ATCは相似なので,

c:AT=d:b ⇔ bc=d×AT
            =d (d+t)
            =d2+dt
            =d2+mn   (終)

この2つの公式はAの”外角の2等分線”が BC の延長線上右側の点 で交わる場合でも成り立つ。




中線定理

下図,辺BCの中点をMとし,AM=d,BM=CM=m=a/2 とすれば,

 b2+c2 = 2(d2+m2) = 2d2+a2/2

証明

Aから BCへ垂線AH を下し,その長さをh とする。

△ABH,△ACH,および,△AMH に三平方の定理を適用して,

c2 = h2+(m+MH)2   ・・・(1)
b2 = h2+(m−MH)2   ・・・(2)

および,

h2+MH2 = d2       ・・・(3)

(1)(2)+2×(3) を計算すれば求めるべき式となる。



三角形の外心,内心,垂心,重心 の定義

外心 内心
O3辺の垂直二等分線の交点 I :3つの角の二等分線の交点
垂心 重心
H :3つの頂点から対辺への垂線の交点 G :3つの中線の交点


この定義が正当性は次の定理で保証される

定理 上記の3直線はいずれの場合も1点で交わる。

証明は下図がヒント。

BD=DCを示す ∠RAI=∠QAIを示す
∠HDC=90°を示す G=G’を示す


三角形の重心の公然の秘密

SA = SB = SC     [Gで面積を3等分] 


三角形の頂点と外心,内心,垂心,重心との距離

外心

AO =R a b c
2sinA 2sinB 2sinC
     = abc
4 s(s-a)(s-b)(s-c)

ただし,

s= a+b+c
2

内心

AI =4R sin(B/2) sin(C/2)
  =
bc(−a+b+c)
a+b+c
PI=
s(s-a)(s-b)(s-c)
 [内接円の半径]
s

垂心

AH =2R|cosA|= a |cosA|
sinA

重心

GA =
−a2+2b2+2c2
3

証明    省略



外心と内心の距離

三角形の外接円の半径を R ,内接円の半径を r ,外心 O と内心 I の距離を d とすれば,

d2=R 2−2Rr ⇔ 2Rr = (R+d)(R−d) [オイラーの定理]


証明

図のように補助線を書き入れると,

△ADI ∽ △ECF

⇔  AI:EF = DI:CF
⇔  AI:2R =  r:IF

⇔  2Rr  = AI・IF
                 ↓ 方べきの定理
⇔  2Rr = QI・IP
⇔  2Rr = (R−d)(R+d)


正弦定理

R a b c
2sinA 2sinB 2sinC

証明

外心からBCへ下した垂線の交点をHとすると,

円周角の定理から ∠COH=∠A,および,∠CHO=90°なので,

a R a/2 R sinA
2 R

他の角の場合も同様。



余弦定理

a2=b2+c2−2bc cosA
b2=c2+a2−2ca cosA
c2=a2+b2−2ab cosA

証明

CからACに垂線を下して,その点をHとする。

△HCBに三平方の定理を用いると,

a2=(b−c cosA)2+(c sinA)2
   =b2+c2−2bc cosA
 =b2+c2−2b AH

他2式も同様。



三角形の面積

S = bc sinA
2
  = s(s-a)(s-b)(s-c)    [ヘロンの公式]

ただし,

s= a+b+c
2

ヘロンの公式は余弦定理を用いて証明します。


体積=1の立方体に内接する正四面体

正四面体の体積=1/3

正四面体の頂点から重心までの距離= 3
2 3


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垂心が1点で交わることの証明 比較

その1 

BからACへの垂線とACとの交点をE,
CからABへの垂線とABとの交点をFとする。
また,この2本の垂線の交点をHとする。

このとき,A,H を通る直線がBCとD点で直角に交わることを示す。

図を参考に,

△CHE△CAF△BAE

であるから,

CE EH ,および, CF FA
CF FA BE EA

この2式より

AE EH
BE EC

この式から,

△BCE ∽ △AHE  ⇒ ∠CBE =∠HAE

したがって,

△BCE ∽ △ACD

すなわち,△ACDは∠Dを直角とする直角三角形である。よってAD⊥BC   (終)


その2  別証  ダブルサークル


図を参考に
△CHDと△AHFが相似であることから∠CHD=90°を示す。


その3  別証 ダブルトライアングル


図を参考に
H が△A’B’C’の外心であることを示す。
すると,各辺の垂直二等分線AD,BE,CFは1点で交わる。